佐野洋子の本は、たいてい読んでしまったと思って、探すのをやめていたら、
図書館で3冊も未読のをみつけて、
ほくほくと、持ち帰り、
強くて、深くて、でも力の抜けたような、簡潔な、文章に、
にやにや、どきどき。
だって、タイトルが「もぞもぞしてよゴリラ」。
もぞもぞしてよ、って言ってる主語は、バーから逃げ出した椅子。
いちおう。
佐野洋子は、「100万回生きたねこ」を書いた、ひと。
昔オリーブに小説をのっけてた。
谷川俊太郎と結婚していた。
かっこいいおばさん。
人生、経験をかさねて、こんな達観できてる、
かっこつけてないけどかっこいい、
嘘がない、なんて嘘だ、と言える、でも嘘がないような気がする
女の人になれたらよいな、とずっと思ってる人。
作品を探すのをやめてしまったのは思えば結構前で、
今は、ネットが、wikipediaがあるのだ、と今調べてみたら、
全然未読のがたくさんあった、これはありがたいけれど、
けれども、がんで余命わずか、と公表してることまで知ってしまった。
なんとなしに、年齢も考えて、あまりこれからは新しいものが出ることを、
期待しちゃいけないのだろうなとは思ってたけれども、
それは予想の範囲でしかなくて、
いざ、こうして目にすると、やっぱりショックで、
今日は雨も降ってるし、3冊もって電車に乗って、もういっかいじっくりしっとり読み直そう。
なんとなく、携帯のカメラでとったときぐらいにまで、追いついてきた気がするけど、まだまだ。
私が好きな風景はどうも庶民的だなあ、社宅育ちだからかな。